- Switching HUBの動作
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2019-02-07
従来のハブでは接続されている機器同士が、伝送帯域を共有(同一セグメント)しているため複数のデータを同時の通信すると衝突が発生し、一度に1つのデータしかネットワークに流す事が出来ない。しかし、スイッチングHUBは各ポート(各ワークグループ)毎にセグメントを分割する事が出来るため、ネットワーク内の負荷が分散される。
図1のように、W/S AからW/S Cへパケットを送信したとき、通常のハブはW/S Aから受け取ったパケットを全ポートへ出力させる。従って、もしハブからW/S Dへ送信されると同時に、W/S DからW/S Fへパケットを送信しようとすると、コリジョン(パケットの衝突)が発生し同時に通信が出来なくなる。又、ハブ自体が同一セグメントであるため、ワークステーションの増加や、トラフィックが高くなってくると送信されたパケットやコリジョンによってパフォーマンスが低下する。
これに対してスイッチングハブ(図2)はW/S AからW/S Cへパケットを送信したとき、受け取ったパケットのディスティネーション・アドレスを、スイッチングハブの各ポートのアドレステーブル(各ポート毎に接続されている機器のソースアドレスが登録されている)と参照し、そのアドレスを持つ機器が接続されているポートへのみパケットをフォワーディングし、その他のポートには出力しない。又、それぞれのポートによりセグメントが分割されるため、ある一つのポートで発生したコリジョンは他のポートへ影響を与えない。従って、W/S AとW/S C間で伝送をしていても、他のポートへパケットをフォワーディングしないため、W/S DとW/S F間で同時に伝送することが出来る。その為、帯域幅から見たパフォーマンスは著しく向上する。
- Ethernet Frame
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2019-02-07
PRE(Preamble)
受信フレームに対し、ノードの受信機能が安定に同期を取るための信号で1と0の繰り返し。
SFD(Start Frame Delimiter)
フレームの開始を示すフィールドで10101011というパターンを使用する。
DA(Destination Address)
フレームの宛先のMACアドレスを示すフィールド。
SA(Source Address)
フレームの発信元のMACアドレスを示すフィールド。
LEN(Length)/TYPE
IEEE仕様の場合は、このフィールドの後に続くデータ部分の長さを表し、DIX仕様の場合はフレームタイプを表す。
DATA
46Byte~1500Byteのデータ・フィールド。
PAD
IEEE仕様の場合に使われるフィールドで、フレームの最低サイズである64Byteに満たない場合はデータをつめる。
FCS(Frame Check Sequence)
フレームのPreamble, SFD, FCS部分を除いた部分について、ある計算式で算出された値を付加する。フレームを受信したとき、この値が計算値と合わないと、CRCエラーとなる。
IEEE802.3フレームは図3のようなフォーマットで構成されており最少サイズはPRE, SFDを除いて64Byte、最大サイズは1518Byteとなっている。スイッチングハブはそのディスティネーション・アドレスやエラーによってフレームをフォワーディングしたり、フィルタリングしたりする。
- Cut -Through方式
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2019-02-07
Cut -Through方式の大きな特徴は、出力ポートに接続されたLANセグメントの使用状況があまり高くない場合、フレームを受け取ると同時に、ディスティネーション・アドレスに指定された機器が接続されたポートへフレームをフォワーディングする。
図4のように、スイッチングハブはフレームを受け取ると同時に、フレームのディスティネーション・アドレス・フィールドを解析し、即座にその宛先が存在するポートにフレームをフォワーディングさせる。従って、スイッチングハブを通り送られるフレームのレイテンシ(フレームが入力ポートから出力ポートにフォワーディングされるまでの遅延時間)は一般的に約20マイクロ秒と非常に小さい。しかし、フレームのディスティネーション・アドレス・フィールドしか解析していないため、エラーパケット(CRCエラー、フレーム・アライメント・エラー、ロング/ショート・パケット(ディスティネーション・アドレス・フィールドが正常なパケット))はフォワーディングしてしまう。
- Fragment-Free方式
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2019-02-07
Fragment-Free方式 の特徴は、Runtパケット(コリジョンによって生成される63Byte以下のパケット)をフィルタリング出来る。
図5のように、スイッチングハブはフレームを受け取り、PRE, SFDを除いたフレームの最初の64Byteを解析しLength Checkを行い、正常フレームならば即座にディスティネーションアドレスに指定された機器が接続されたポートへフレームをフォワーディングし、エラーがあった場合はフィルタリングする。それによるスイッチングハブを通り送られるフレームのレイテンシは一般的に約30マイクロ秒となる。
しかし、PRE, SFDを除いたフレームの最初の64Byteしか解析していないため64Byte以上のCRCエラー、フレーム・アライメント・エラー、ロング・パケットはフォワーディングしてしまう。
- Store-and-Forward方式
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2019-02-07
tore-and-Forward方式の特徴はレイテンシを犠牲にする代わりに、フレームのエラーチェックを行い、正常なフレームのみを送信しエラーフレームは全てフィルタリングする。
図6のようにスイッチングハブはフレームを全て取り込み、エラーチェックを行い、正常フレームならば即座にディスティネーションアドレスに指定された機器が接続されたポートへフレームを送信し、エラーがあった場合はフィルタリングする。
しかし、フレームを全て取り込みエラーチェックを行うためパケットサイズ64Byteのレイテンシは一般的に約100マイクロ秒になる。