PHY回路とクロック回路
10M/100M PHY回路
10/100M PHY回路にはレベルワン社のLXT970を採用しました。
LXT970はフィルタ回路が内蔵されていますので、ネットワーク側のトランスに高次フィルタ付きのものを使用する必要がありません。但し、コモンモードフィルタはほとんどの場合で必要です。
また、SC802TXでは使用していませんが、このLXT970は100BASE-TXだけではなく100BASE-FXもサポートしているのも特徴の一つです。
設計上の留意点は、アナログ系統とデジタル系統の電源を分離することです。
SC802TXは4層基板ですが、内層を切り分けして電源分離を行なっています。100M系の差動信号はその引き回しを極力短くしますが、差動信号ペアのそれぞれの信号ライン長が等しくなるような配線を心がけることも重要です。
信号の引き回しを考慮して、ネットワーク側のトランスもそのピン配置に様々なバリエーションのものが用意されていますので部品配置に応じて最適なピン配置のものを選定します。
SC802TXのトランスにはハロー社のコモンモードフィルタ内蔵タイプを採用しました。
GT-48002AとLXT970はMII(Media Independent Interface)で接続されますが、GT-48002AはPHYアドレスをポート0は"1"、ポート1は"2"としてアクセスしますので、各々のLXT970のPHYアドレスはそのように設定しておく必要があります。LXT970ではこれらの設定を抵抗によって分圧した電圧の組み合わせで行ないます。
これはデバイスのピン数削減のための手法のようですが、少し混乱し易い仕様なので注意して下さい。
GT-48002AもLXT970もネットワークの通信モードを自動認識するオートネゴシエーションをサポートしています。
クロック回路
クロック回路としてはLXT970用に25MHzの水晶発振器を搭載しています。また、MACアドレス格納用のEEPROMにはシリアルタイプのものを採用していますので、そのアクセス基準クロックとして、25MHzを256分周したものを使用しています。クロック回路もEMI対策として電源分離を施しています。