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ネットワークは本来成長する宿命を帯びているようです。人間の脳も生まれた時からその細胞数は大人と変わりませんが、年とともに成長・複雑化する脳細胞間のネットワークによって知的活動が活発になってくるということです。コンピュータのネットワークも同様です。複数のコンピュータがネットワークで結合されることにより、いままで以上の能力を発揮することが期待できるようになっています。
一方、ネットワークの成長がスムーズに行なわれているかというと決してそうではありません。特にネットワークの管理担当者にとって、ネットワークの成長・拡大はそのまま頭痛の種の拡大を意味することが多くて、管理どころかトラブル対処に追われる日々が続くのが実状のようです。
一部の大企業や著名大学を除けばコンピュータのネットワーク化がほとんど進んでいなかったわが国ですが、最近になってイーサネットを中心にLAN(Local Area Network)が一般化し、ブームを巻き起こしている感すらあります。 接続されるコンピュータの数が少なく、またそれが同じフロアにあるような小規模のLANであれば、管理者が現場で障害解析を行なうことが可能ですし、比較的容易に障害の切り分けもできます。しかし、ネットワークの拡張に伴い接続される構成機器が増加し、地理的規模も拡大してくると現場解析だけに頼るわけにはいかなくなります。通常、ネットワークの拡大はそのままシステムとしての重要度の増大も意味しますので、障害の発生を未然に防ぐ必要性も出てきます。
一方、ネットワークに接続される機器及びその構成の複雑さは年々度合いを増していて、管理者の負担は増え続けるばかりです。実際に大きなネットワークでは現在の正確な構成を把握することすら難しくなってきています。
そこでネットワーク管理システム、それもコンピュータを含めたネットワーク機器の提供メーカに依存しない、いわゆるマルチベンダー対応のシステムの必要性が叫ばれ始めたわけです。
無思慮に拡張を進めたLANは"乱"にしか過ぎず、トラブル発生の元凶になりかねないことに十分注意しておく必要があります。