自動認識のしくみ
(1) 両側が自動認識の場合
(Auto-Negotiation機能を持つ機器同士の接続)
Auto-Negotiation機能を持つ機器同士を物理的に接続(TPケーブルで接続)すると、互いの機器が持つ 伝送方式をFLP(First Link Pulse)で伝え合う。
伝送方式とは、
a. 100BASE-TX Full-Duplex
b. 100BASE-T4
c. 100BASE-TX(100BASE-TX Half-Duplex)
d. 10BASE-T Full-Duplex
e. 10BASE-T(10BASE-T Half-Duplex)
の5種類であり、優先度もこの順番(a.が最も高く,e.が最も低い)で決められている。両側の機 器は共通してサポートする伝送方式のうち、優先度の高い方式を自動的に選んで接続する。
例えば、接続した両側の機器が100BASE-TX Full-Duplex,100BASE-TX,10BASE-T Full-Duplex,10BASE -Tの伝送方式をサポートしている場合は、優先度の高い100BASE-TX Full-Duplexで接続が確定する。
(2) 片側が10M専用機器の場合
(Auto-Negotiation機能を持つ機器と10BASE-T機器との接続)
10BASE-T機器は、物理的な接続状態を確認する為に、「NLP」(Normal Link Pulse)を送信している。 Auto-Negotiation機能を持つ機器は、このNLPから相手がサポートする伝送方式を判断し、10BASE-Tで 接続が確定する。
(3) 片側が100M専用機器の場合
(Auto-Negotiation機能を持つ機器と100BASE-TX機器との接続)
100BASE-TX機器は、パケットを伝送していない間、「アイドル信号」を送信している。Auto-Negotiati on機能を持つ機器は、このアイドル信号から相手がサポートする伝送方式を判断し、100BASE-TXで接続 が確定する。
(4) 片側が伝送速度自動認識の場合
(Auto-Negotiation機能を持つ機器とAuto-Sensing機能を持つ 機器との接続)
Auto-Sensing機能を持つ機器は、ドライバの起動時に100BASE-TXと同様のアイドル信号を送信する。Auto-Negotiation機能を持つ機器は、この時送信されるアイドル信号から相手がサポートする伝送方式を 判断し、100BASE-TXで接続が確定する。波形1は、Auto-Sensing機能を持つLANアダプタとAuto-Negoti ation機能を持つ機器とを接続した時の波形である。
(5) 10M専用機器と伝送速度自動認識の場合
10M専用機器とAuto-Sensing機能を持つ機器を接続した場合は、波形2で示す様にAuto-Sensing機能を持つ機器がドライバの起動時に100BASE-TXと同様のアイドル信号を送信する。しかし、Auto-Sensing機能を持つ機器はNLPを受信する為、接続先が10BASE-Tであると判断して10BASE-Tで接続が確定する。