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<Ethernetの基本事項>

EthernetとIEEE802.3の違い

はじめに

Ehernet(Version 2.0)とIEEE 802.3には、いくつかの違いがみられます。

  • 物理層の多様化とデータリンク層の副層化
  • MAUとAUIのインタフェース
  • SQEテスト信号のタイミング
  • フレーム形式(タイプフィールドとデータ長フィールド

物理層の多様化とデータリンク層の副層化については既に述べましたのでここでは説明を省略しますが、他の部分についてその違いをみてみましょう。

MAUとAUIのI/Fの違い

図14にMAUとAUIのインタフェース信号の違いを示します。Ethernetでは、MAUのことをトランシーバ、AUIとのインタフェースケーブルをトランシーバケーブルと呼びます。

図14 Ethernet/IEEE 802.3 AUIインターフェース信号の違い

図14 Ethernet/IEEE 802.3 AUIインターフェース信号の違い

ここでの違いは、Ethernetでは“予約”してあった箇所が個々の差動信号対用のシールドとして定義されたことと、オプションとしてCO信号が定義されたこです。他の信号については互換性がありますので、上位方向の互換性は保たれていることになり、もうほとんど意味はないと思われますが、ハードウェア的にはEthernet準拠機器とIEEE 802.3準拠機器は混在使用が可能です。

SQEテスト信号のタイミング

SQEテスト信号は、EthernetではCPTテスト信号( CPT: Collision Presence Test)、もしくはハートビート信号(Heartbeat)と呼ばれています。

このテスト信号は、衝突検出回路の正常動作を確認するために設けられた機能で、パケットの送信完了直後にパケット間ギャップの空き時間を利用して発行される擬似衝突信号のことです。この信号の発生タイミングには、EthernetとIEEE 802.3で若干の違いがありますので、その違いを図15に示しておきます。

図15 Ethernet/IEEE 802.3 SQEテスト信号のタイミングの違い
図15 Ethernet/IEEE 802.3 SQEテスト信号のタイミングの違い

SQE信号は、MAUからDTEへ対してのみ発行される信号ですので、同軸ケーブル等の通信メディア自体には何の影響もおよぼさずネットワークに対する悪影響もありませんが、リピータだけは例外です。

リピータに接続するMAUのSQEテストを“有効”にしてはいけません。リピータはその機能として、衝突発生時には各ポートにジャム信号を送出するのを思い出して下さい。リピータにSQEテスト信号が入力されるとこのジャム信号が発生し、ネットワークのトラフィック状況が極端に悪化します。その結果として、ネットワークのパフォーマンスが極端にダウンしてしまうわけです。規格上はその使用を義務つけらえれているSQEテストですが、そのメリットよりもリピータへの誤接続等のデメリットの方が目立ちがちなのが残念です。

忘れがちですが10BASE-Tのハブはリピータの一種です。10BASE-TのハブのAUIインタフェースにMAUを接続する場合は、くれぐれもそのMAUのSQEテスト機能を“禁止”状態にしておくことを忘れないように注意して下さい。
実際、SQEテストのチェックは故障診断プログラム等の特別なプログラムでのみサポートされているのが現状で、Netware等の通常のLANドライバではSQEテストの結果は一般的に無視されています(メーカサイドとしては、SQEテスト設定のON/OFFによる余分なトラブルコールを避けたい結果と思われますが)。

フレーム形式の違い

先に述べたEthernetとIEEE 802.3の違いは、いわゆる誤差範囲ともいうべき違いであり、両者間の相互オペレーションを決定的に疎外するものではありませんでした。ところが、“タイプフィールド”と“データ長フィールド”というフィールド定義の違いによるフレーム形式の差は、両者間の差異を決定的なものにしてしまいました。

それでは、IEEE 802.3ではどうしてこのフィールド定義が変更されたのでしょうか。残念ながら、筆者自身が明確な回答に出会っていませんし、自分でも論理的に説明できませんので、この疑問には答えることができません。EthernetとIEEE 802.3を区別するため、すなわちEthernetをそのまま“国際標準”とすることへの抵抗といった見方の方が実際には当たっているのかも知れません。
タイプフィールドはプロトコルを区別するために使用されていました。例えば、TCP/IPのIPプロトコルでは“0800H”が、NetwareのIPXプロトコルでは“8137H”がタイプフィールドにセットされます。
IEEE 802.3では、プロトコル区別は802.2 LLCで規定されます。802.2 LLCの説明は、紙面の都合上省略しますが、プロトコル種別用のフィールドが7ビット分しかありませんので、Ethernetのタイプフィールドの値をそのまま使用することはできません。
そこで考案されたのがSNAP(SubNetwork Access Protocol)です。SNAPフィールドは5オクテットで構成され、3オクテットのLLCフィールドに続いて配置されます。 NetwareのIPXパケットを例にとって、種々のフレーム形式を図16に示しておきます。

図16 IPパケットのフレームの形式例図16 IPパケットのフレームの形式例

タイプフィールドとデータ長フィールドの違いはソフトウェア処理上の問題ですので、IEEE 802.3準拠のハードウェア機器をEthernet準拠のフレーム形式で使用することには何の問題もありませんし、種々のフレーム形式を同一ネットワーク上に混在させることも可能です。しかし、当然のことではありますが、フレーム形式が異なる端末間では通信はできませんので注意して下さい。 

 

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