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<Ethernetの基本事項>

Ethernetの標準規格(IEEE 802.3)
10BASE2

10BASE2は、10BASE5より柔軟性のある細い同軸ケーブルを使用し、DTE側に搭載されるインターフェースを直接同軸ケーブルに接続することでコストダウンを狙ったものです。インタフェース側にMAUを内臓することがほとんどですが、AUIインタフェースを備えた単独MAUも存在します。安価ということからCheaper-Netと呼ばれたり、10BASE5に比較して細い同軸ケーブルを使用することからThin-Ethernetと呼ばれたりもします。

10BASE2では、RG-58系の同軸ケーブルを使用し、同軸ケーブルへの接続にはBNCコネクタを用います。ネットワークからDTEへの分岐ポイントには通常T型のBNCコネクタが使用されますが、最近はこれにもF型・E型等のバリエーションがあります。同軸ケーブルのインピーダンスは10BASE5の場合と同じく50Ωで、リピータ無しの場合の最大セグメント長は185mです。また、最少ケーブル長(DTE間)は0.5mで、1セグメント当たりの最大接続MAU数は30台です。

10BASE2用MAU-同軸ケーブル間の電気的特性

10BASE2用MAU-同軸ケーブル間の主要な電気的特性の規格を以下に示します。主要な特性はほとんど10BASE5と同じです。

[入力インピーダンス]
MAUを同軸ケーブル側から見た場合の入力インピーダンスは、容量6pF以下、抵抗100kΩ超と規定されています。これは10BASE5よりゆるやかな規格です。コネクタ部の容量も含めた合計は8pF以下と規定されています。

[バイアス電流]
非転送時におけるMAU-同軸ケーブル間のバイアス電流は、電源のON/OFFとは無関係に+2uAから-25uAの範囲にあることと規定されています。電流の流れる方向は、MAUから同軸ケーブル方向が“+”です。

[同軸ケーブル上の信号レベル]
同軸ケーブルは電流ドライブ方式でドライブされ、1個のMAUは通常送信時に平均直流電流レベルで-37mAから-45mA、最大ピークで-90mAをドライブします。この電流が両端が50Ωで終端された同軸ケーブルに流れると振幅約2V、平均電圧レベル約1Vの電圧波形となります。この仕様は10BASE5と同じです。DO信号から同軸ケーブル上信号へ変換開始時のビット消失は2ビットまで許容されています。変換遅延時間は、定常時1.5ビット以下と規定されています。また、同軸ケーブル波形からDI信号への変換開始時のビット消失は5ビットまで許容されています。

[衝突検出]
衝突発生時には複数のMAUのドライブ電流が重なって平均直流電圧が通常値より下がりますので、これによって衝突状態を検出することができます。規格では、衝突時には平均直流電圧で-2.2Vより低い値を保持できるドライブ能力が要求されており、衝突検出のスレショールド値は、10BASE5の推奨値とは少し違って-1.404Vから-1.581Vの範囲となっています。MAUは衝突検出後9ビット時間(900ns)までにCI信号上に衝突検出信号(CS0: 10MHz)を送出しなければなりません。また、衝突状態が解消された後は20ビット時間(2us)以内に衝突検出信号の送出を停止しなければなりません。 CI信号は、SQEテストとしても利用されますが、そのテスト信号の送出規定は、DO信号上のIDL信号検出から0.6us - 1.6us後に10±5ビット期間です。この仕様は10BASE5と同じです。

[ケーブル波形の立上り/立下り時間]
10-90%の立上り/立下り時間が25±5nsで、立上り/立下り時間は2ns以内で一致しなくてはならないと規定されています。これも10BASE5と同じです。

[ケーブル波形の高調波成分]
高調波成分も規制されており、第2次・第3次で基本波の20dB以下、第4次・第5次で基本波の30dB以下、第6次・第7次で基本波の40dB以下、他の高次高調波で基本波の50dB以下となっています。これも10BASE5と同じです。

[ジャバー機能]
10BASE5と同じジャバー機能が要求されています。規定による制限時間は、10BASE5と同様、最少で20ms、最大で150msになっています。ジャバー保護状態の解除は、その電源ON/OFFもしくは、0.5s ± 50%後に解除してもよいことになっており、10BASE5のようにMAUの電源供給方法による規定の差がなくなっています。

10BASE2用 MAUの電気的特性

10BASE2用MAUの主要な電気的特性の規格を以下に示します。

[電気的絶縁]
MAUは同軸ケーブル側とAUIケーブル側の電気的絶縁を提供しなければなりません。両者間の絶縁抵抗は、60Hz測定時に250KΩ超、3MHz - 30MHz測定時に15Ω未満が要求されています。また、絶縁試験電圧は、500Vrms で1分間となっていて、10BASE5より厳しい要求です。

[消費電流]
AUIインタフェースの項で述べたように、MAUの許容消費電流は最大500mAです。また、外付タイプのMAUではその消費電流をラベル表示するように規定されています。

[信頼性]
MAUの平均故障間隔(MTBF: Mean Time between Failure)として10万時間以上が要求されています。10BASE5の場合より、一桁低い値ですが、コスト見合いの設定ではあります。

[EMC耐性]
10BASE5と同様に、EMC耐性(電磁環境耐性)として、次の2つの条件のいずれかに適合するように要求されています。繰り返しになりますが、一つは、電界強度2V/mで周波数10KHzから30MHz、電界強度5V/mで周波数30MHzから1GHzの電波環境下。もう一つは、1V/nsの立上り特性を持った電圧波形を同軸ケーブルのシールド部とDTEのアース間に注入する方法です。

同軸ケーブルとコネクタ

要求されるケーブルの特性については、他のケーブルと一緒にまとめて後述しますが、それ以外の項目で10BASE2で特に規定されていることに触れておきます。

[BNCコネクタ]
同軸ケーブルの接続・分岐やターミネータ(終端抵抗)の接続にはBNCコネクタ(IEC Pub 169-8)の使用が規定されています。

[ターミネータ]
ターミネータは同軸ケーブルの両端に接続されますが、その規格としては、0 - 20MHzの測定レンジで50Ω±1%、位相角が5度以下となっています。また、セグメント当たりの接続可能なMAUの合計数が10BASE5より少ないので、許容電力は0.5W以上と10BASE5より低い値から許容されています。

[アース(接地)]
同軸ケーブルはどちらか片端で一点接地することが推奨されています。また、BNCコネクタ部の金属部がむき出しになった箇所が不用意に接地、あるいは他の電気系統に接触しないように、必要に応じてBNCコネクタを絶縁カバーで覆うことが推奨されています。

[静電放電]
静電放電用の回路を設ける規定が追加されています。同軸ケーブルのシールド部とDTEのアースを1MΩ 0.25Wの抵抗を介して接続します。耐圧は750Vdc以上が要求されています。より、手でさわる機会が増えたことに対する保護が想定されています。

マルチセグメントのネットワーク構成

マルチセグメントのネットワーク構成

CSMA/CDにおけるネットワーク構築の基本は、衝突検出を確実にするためのラウンドトリップ遅延を計算することにありますが、通常の構成においては、各セグメントの最大長制限にさえ気をつければ、以下のリピータ段数制限を考慮すれば十分でしょう。

[最大構成は4リピータ&5セグメント]
シングルコリジョンドメイン内(衝突検出を行うネットワーク範囲)におけるリピータ段数は、4段まで可能です。つまり、4リピータ&5セグメントが最大構成となります。

同軸系の最大構成は2リピータ&3セグメント]
10BASE5や10BASE2のような同軸セグメントは、最大3セグメントに限定されていますので、同軸だけでの構成は2リピータ&3セグメントが最大構成となります。

[10BASE-Tの最大構成は4ハブ&5セグメント]
10BASE-Tではそのセグメントはリンクセグメントになりますので、4ハブ(リピータ)&5セグメントが最大構成になります。

[異種セグメント構成も4リピータ&5セグメント] 
10BASE5、10BASE2及び10BASE-T等が混在する構成も4リピータ&5セグメントが最大構成となります。但し、同軸系は最大3セグメントまでの制限がありますので、その場合の他のセグメントは10BASE-T、10BASE-FやFOIRLのようなリンクセグメントでなければなりません。

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